※髪質の悩みはスタイリングでカバーできる
いろんな都道府県の美容師さんたちと話をして盛り上がるのは、地域による髪質の違いです。
たとえば、熊本や宮崎、鹿児島、沖縄の美容師さんたちと話をしていると、「髪が多くて、クセが強く、ごわついた髪の人が多い」とよく聞きます。縮毛で悩んでいる人が多いのも、これらの地域の特権で、縮毛矯正やストレートパーマをかける人の比率も高いのだとか。1本1本の毛が太く、髪が丈夫な人が多いので、カラーが入りにくいという特徴もあるようです。
一方、東京の美容師さんたちと話をしていると「ここ10年くらいで、ずいぶんネコっ毛の人が増えてきた」と言います。食生活の変化なのか、水質の変化なのか、原因はわかりませんが、確かに、読者アンケートでも、髪の悩みの1位が「多くて硬い」から「やわらかくてぺたんとする」に変わりました。
ヘアカタログの撮影でモデルになってくれる人は、基本的にプロのモデルではなく、一般の方がほとんどです。ですから、髪質に悩みを抱えている人もたくさんいます。なかでも、髪にボリュームがない人、ネコっ毛の人の割合は、その逆に比べてずいぶんと多いんです。
そんな彼女たちにモデルになってもらっているのですが、誌面で見る限り「うわ、めっちゃ髪が少なそう」とは見えないはずです。
それは、髪の「ふんわり感」は、ほとんどの場合、スタイリングひとつで演出することができるからです。その方法をお伝えします。
※髪にボリュームを出すスタイリングと乾かし方
ふんわりヘアを手に入れるときのポイントは、スタイリングするときに空気感を出すこと。
空気感というと、乾かすときに下から上に空気をあてることだと思いがちですが、そうするとただ髪が広がるだけでバサバサになってしまいます。
そうではなく、空気感を出すときは、髪の内側ではなく、一番外側の表面の毛に浮きを出します。
表面の毛束を指で持ち上げて固まりすぎないスプレーをかけたり、ワックスをよく手でのばしてから表面の髪をくしゅっとにぎって持ち上げると、自然な空気感が出ます。空気感が出ると髪がふわっとふくらみ、綿菓子のように軽くやわらかく見えます。
また、髪を乾かすときにもポイントがあります。髪にボリュームを出したいときは、根元部分を今の生えグセと逆方向に乾かすのです。そうすると、、根元に立ち上がりが出て、フワっとボリュームが出やすくなります。
さらに、髪色でもふんわり感を出すことができます。
もし、いま髪に立体感がない、メリハリがなくてぺたんこに見えているのであれば、ハイライト(ベースの色より明るい色)やローライト(ベースの色より暗い色)といわれる、髪に細い筋状のカラーを入れることをおすすめします。
メイクのときのハイライトやシェーディングのように、髪に明るい部分と暗い部分ができることで、ヘアスタイルがぐっと立体的に見えます。これは実は、髪の量が少ない女優さんやモデルさんの多くがやっているカバー法です。
「ふんわり」は、女子だけの特権。ふんわりした髪を持っていると、触り心地も抱き心地もよさそうに見えます。
なので、ふんわりは、モテます。
ふんわりをまとって、愛されちゃってください。
☓ネコっ毛だからボリュームをあきらめる
○髪質と関係なくボリュームを手に入れる