髪なら、ブスでも褒められる

 美人の話をしたので、ブスの話もさせてください。私の話です。

 

 

 私は物心ついてからずっとクラスの男子に「ブス、ブス」と言われて育ち、親戚には「あんたは器量が悪いのだから、一生結婚できなくても食べていけるように手に職をつけなさい」と言われるほど残念な容貌でした。

 学生時代は、テニスプレイヤーとしてプロを目指していたこともあり、髪は邪魔にならないように、猿のようなショートカット。女子トイレに入っていたら「ここ、女子トイレですよ」と注意をされるくらい、女に見えない見た目でした。

 

 

 そんな私が会社員を経てライターになり、何の因果かファッション誌のヘアページを担当することになったのです。まわりはおしゃれな「キラキラ女子」ばかり。私だけあきらかに浮いています。

 

 

 それでも「ブサイクな私が見た目に気を使っているなんて、逆に恥ずかしい」みたいな変な自意識過剰ぶりで、今思うと、あの頃の私はそうとうこじらせていました。

 

 

 あれは多分、ファッション誌のライターになって半年くらいたった25歳の時だと思います。

 そのころ私はヘアページを何度か担当し「髪の影響力ってすごいかも」と思うようになっていました。

 そこで、今まで何もしゃべらず爆睡しているだけだった美容院で、初めて「こんな髪型にしたいんです」と雑誌の切り抜き写真を渡してみたのです。

 切り終わったあとの私の髪は、なんだかいつもよりちょっといいような気がして、少し気分があがりました。

 

 

 その数日後、私の人生を変える出来事が起こります。

 

 

 仕事でお会いした美容師さんが私の髪を見るなり言ってくれたんです。「あ、その髪、すごく似合っていてかわいいですね!」って。

 

 

「か、か、か、かわいい???????????」

 

 

 25歳になって生まれて初めて言われた「かわいい」に、私は半ばパニックで舞い上がってしまい、多分、かかとが3センチくらい宙に浮いたと思う。

 家に帰ってからも「かわいいって言われた!」「私(の髪)、かわいいって言われた!」と何度も思い返してにやにやしていました。ちょっと大げさに思いますか?

 でも、この気持ちは「生まれつき美人」にはわからないと思う!

 

 

 *ブスでも「髪で満点」はとれる

 

 初めての「かわいい」をきっかけに、私は「髪だけは、どんなにブスでも褒めてもらえるんだ!」と、勇気をもらいました。そして、それからは、顔はともかく、髪だけは大事にしようと思うようになり、どんなに忙しくても2か月に1回、美容院に通うようになりました。

 すると不思議なことに、仕事もプライベートも突然順調にすべり出したのです。

「私なんか」が口癖だったのが、少しずつ自信が持てるようになったからでしょうか。

 未経験で飛び込んだライターの世界だったにもかかわらず、どんどん仕事を紹介していただき、気づくと雑誌で連載を持たせていただいたり、全国で講演をさせてもらうようになったり、編集長を任せてもらえるようになりました。そのどれもが、あの日、「髪、かわいいですね」と言われ、自分に自信を持てるようになったことがきっかけになっています。

 

 

 私の例をお話ししましたが、実は、こういった話は毎週のように読者の人たちから聞く話です。

 髪は、顔と関係なく、褒めてもらえるパーツです。しかも、髪の配点は高いので(100点中50点)、髪に引っ張られるように全体の得点もあがっていきます。見た目に自信がない人ほど、髪で人生を変えることができます。

 

 

 ☓ ブスは一生ブスのまま

 ○ ブスでも髪は褒めてもらえる

  髪をきっかけに人生を変えることができる

 

 

 

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